2019年11月24日日曜日

セミアコースティックエレキギター制作 その2

セミアコ制作の続きです。
久しぶりに難しい工作です。

表板接着の写真は取り忘れました。
裏板を接着して箱に仕上げてしまう前にネックの仕込みまでを済ませてしまおうと思います。
なのでまずはネック整形です。
ネック材はアフリカンマホガニーです。
 
トラスロッドを仕込む穴をトリマーでほります。
この段階では、直線治具を使うためにネックの板は形状そのまま。無加工です。 
セミアコはほとんどのモデルでボディとネックが接着されてしまうセットネックという接合方法です。なので、トラスロッドはヘッド部から調整します。

次はネックの幅を決めて整形します。
ヘッド部の画像。

次にボディとネックの接合部分の加工です。
墨を引いてから荒く加工します。

何回も入れては削ってを繰り返してピッタリハマる箇所を探ります。
これできっとぴったり。

  ソリッドエレキギターとのもう一つの大きな違いが、ネックの仕込み角度です。
若干ですが角度をつけてヘッド部が下る勾配をつけています。
その角度。今回は4°です。この勾配があるために加工難度がエグいです。
正直この部分はヴァイオリンよりも難しく感じました。

ネックの仕口が決定したので、指板を貼り付けてネックの整形を進めます。

 
今回はここまで。
ネックが終わったらボディを箱にしてボディ側を完成させます。

続く。

2019年11月17日日曜日

セミアコースティックエレキギター制作 その1

随分とご無沙汰しております。
まだ見に来てくれている方、おられますでしょうか?

Zo3を作ってから小物ばかりの制作で記事にするようなものはなく、今回新しい楽器を製作することになったので、記事にしたいと思います。

セミアコを制作します。
モデルはES-335 。
ギブソンの最初期モデルをコピーします。

セミアコは、ヴァイオリンと同じく、箱物弦楽器です。
フルアコという中が完全空洞の楽器もありますが、今回は中央にセンターブロックがはいったセミアコを制作します。

表板、裏板、横板は、無垢板ではありません。
整形済み合板という、アーチも曲げもされている楽器材がアイモクというウェブショップで取り扱いがあります。

合板ギターは案外普通のことなので、ここはラクしたいと思います。

まずは型をつくります。
設計図を適当な材にうつします。

切り出します。

ヴァイオリン制作で使った内枠ではなく、外枠にします。
でも、あまり有効に使えない型になりました。なんていうんでしょうか。
うまくクランプできません。私は内枠派ですね。
 
写真が飛んでしまいますが、横板とセンターブロックを接着して、次はライニング貼り付けです。


ライニングは、バイオリンのときは熱で曲げ木しましたが、ギター類のライニングはこんな感じに材を刻んで薄皮一枚でつながってる状態のものを接着します。
曲げなくていいので楽ちん。

センターブロックはアガチス。
ライニングはエゾマツ。

次はこのフレームの平面を出したいので、新しく治具を作りました。

なにかというと、合板にサンドペーパーを貼り付けただけです。
かんなである程度の平面を出したあとに、このサンドペーパー台にすり合わせて微調整します。

整ったら次はこの段階でピックアップの穴とネックのホゾを開けておきます
なぜこの状態で座ぐりしておくかというと、まずピックアップを取り付ける箇所は、箱が完成してからだと、アーチがついている部分を加工しなければならなくなるため、機械加工が困難になります。そのため、平面があるうちに座ぐりしておき、これをテンプレートとして、表板を最後に加工します。
本来の加工手順は、どうなっているのかわかりません。

次に表板の作業です。
表板は、外側も中側もアーチがついています。
このまませっちゃくすると、センターブロックと表板、裏板との間に隙間ができるので、センターブロックを入れた意味が薄れてしまいます。
なので、表板側に平面出しの材を貼り付けます。
これは、ヴァイオリンで言うところのバスバーに似ています。

この状態であれば、センターブロックと接着することが可能になります。

接着可能な段階まできたのですが、道具が足りません。
ですので、自作します。

バイオリン用には作ってありましたがセミアコには使えません。
ボディ厚、ボディ形状が違いすぎます。
なので、汎用性のある一点クランプを25個ほどつくりました。
材と当たる部分にはゴムを貼ってあります。

クランプ練習。
こんな感じでクランプしていきます。

今回はここまで。
続く。